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おばちゃんのつれづれ 主にマンガとweb

おばちゃんがライフハックや日常を書きます

さいとうちほ 『とりかえ・ばや』が今だけ3巻無料! 夢とロマンを求める大人女子におすすめ。

小学館の少女マンガ雑誌、フラワーズに掲載中の『とりかえ・ばや』が3巻も無料で読めるそうです。太っ腹!

 

おばちゃんの心はいつでも少女()なので、フラワーズは創刊号からずっと買っています。フラワーズが創刊される前は別冊少女コミックをはじめいくつかの雑誌に分散されてしまっていた、読みたい大御所マンガが一冊にまとまって喜んだのを覚えてます。

 

でもって、さいとうちほ著『とりかえ・ばや』ももちろん初連載から読んでますよー!

さいとうちほ先生って少女革命ウテナを書いた人なんですね。ウテナも好きです。

 

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あらすじ

 男らしい姫君と女らしい若君それならいっそとりかえてしまいませう―――ベテランのさいとうちほが、新たな衝撃作をスタート!“男女逆転ドラマ”の原型である古典「とりかへばや物語」を大胆にアレンジ。男として生きる女君・沙羅双樹と、女として生きる男君・睡蓮の禁断の運命は―――!?

rennta内容紹介より。

 とりかえばやを題材にしたマンガといえば山内直美「ザ・ちぇんじ!」がありますが、あちらが明るいノリなのに対して「とりかえ・ばや」は登場人物の苦悩や喜びを丁寧に描く雰囲気です。絵柄とあいまってとてもきれいですね。

 

登場人物

主人公 沙羅双樹(さらそうじゅ)

男装して男として生きる女性。双子の弟がいる。双子の弟がいる。

女だというのは両親と弟しか知らない。

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双子の弟 睡蓮

弟だけど大人しく臆病な性格で女性として生きている。

 

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沙羅双樹の友人 石蕗(つわぶき)

イケメン。決めるときはびしっと決める。

沙羅双樹が女だとしらず恋に落ち「男に恋してしまった」と悩んだりもするが個人的には男に恋してもらっても全然OKだと思う。

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感想

沙羅双樹が天然かわいい。

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このきれいな絵柄の男装子がこんなに天然なわけがない(混乱中)

1、2巻はティーンの沙羅双樹が宮廷に慣れるまでなので、とにかくかわいい。

 

心理描写

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 トランスの話では「ぼくらのへんたい」など苦悩や生き辛さなど重苦しいテーマが多い。そういうのもとっても大事、だけど、「とりかえ・ばや」はそこで終わらせない。

obatyan1.hatenablog.com

 

沙羅双樹と睡蓮は双子で、

明日からはきっとあなたを見るたびに本来の自分を思い出す

過去の自分をなつかしく 愛しく思う

 

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なのだ。自分の本来の性を否定したり抑圧するのではなく、双子の片割れという形で尊重している。でも沙羅双樹と睡蓮は決して恋愛感情は持たない。作中で話をするシーンすら少なく、お互いの人生に精一杯で相手の存在を忘れているかのように見える場面すらある。こんな↑関係であるにも関わらず。

 

絶妙な不親切仕様

とりかえ・ばや」はトランスジェンダーの話であり、女性の働き方の問題であり、妊娠出産を誰がになうかという問題であり、美麗平安絵巻なのにとても現代的だ。「ザ・ちぇんじ!」のようなドタバタコメディ路線に行くのでなければ、深刻な心理描写や自分語りが続いてもおかしくない。

 

だが、さいとうちほ先生は随所で登場人物の迷いや思索を丁寧に描写しているにもかかわらず、決定的な心理描写をしないのだ。

 

古典のとりかえばやと同じく「とりかえ・ばや」でも沙羅双樹と睡蓮は本来の性に戻ることを決意する。

男として育った姫君・沙羅と女として育った若君・睡蓮は、生まれながらの性で生きて行く決意をするが――!?ついに帝の尚侍(ないしのかみ)として出仕することとなった沙羅は、近い距離に戸惑いずつ、少しずつ帝との絆を深めてゆく。しかし次の東宮候補として弓弦王を担ぎ出す一派が現れ…!? 

だがどうしてそう決意したか、周りの状況にどううまく対応するかというストーリーに紛れて、性違和を抱えたまま本来の性に戻ることに対しての心理はあまり描写されない。なのに圧倒的説得感がある。「とりかえ・ばや」は現在もフラワーズで連載中で、雑誌のほうは今ちょうど沙羅双樹がピンチだったり女性東宮と百合っぽい空気を出していたりする。そのストーリー展開の中で、性違和を抱えたまま体の性別に沿って生きることの苦悩はメインではなくアクセントでありスパイスだ。

 

 

 

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これまでのジェンダーを扱った作品はジェンダーを前面に押し出しているものが多かった。だが実際のセクマイの生活はジェンダーで塗りつぶされているわけではない。我々は四六時中セックスのことばかり考えているわけではなく、セクシャリティは大切ではあるが全体の一部分にすぎない。

とりかえ・ばや」は沙羅双樹と睡蓮のかわいらしさや美しさ、人間的成長や選択などすべてをひっくるめて魅力的でそこにセクシャルマイノリティという一要素が加わり石蕗や東宮との恋模様もあり、またきらびやかな調度や衣装があり、盛りだくさんかつ少女魂を刺激する話だ。